
4月の農作業(畑仕事)と自然暦について、ご案内いたします。
春の花が咲き始める4月は、いよいよ夏野菜の栽培が始まります。
温かい日が多くなる4月ですが、夜間は冷えてまだ霜が降りることもあり、野菜の防寒対策が必要な場合もあります。
現代のような天気予報という情報がなかった江戸時代の農家さんは、植物の開花や落葉、鳥のさえずりなど、季節ごとの生き物の姿や活動で、農作業に適した時期を知る目安にしていました。
そこから生まれた自然暦や口伝などは、現代の私たちも十分活用できるものがありますので、ご紹介いたします。
4月の農作業と自然暦|伝承農法から学ぶ春の畑仕事
4月の自然暦(旧暦3月)
日本列島は南北に長いので、気候が大きく異なります。
4月は、夏野菜の苗を植え付けられる地域もあれば、防寒対策が必要な所もあります。
この時期、江戸時代の農家さんは、草花の開花や動物の活動で、畑仕事の適期を知る目安にしていました。
4月 山桜の開花を指標にする伝承農法

126.山桜が咲くと甘藷の種をふせよ
山桜が咲いたら、サツマイモの伏せ込みをしましょう
引用 川口孫治郎著「自然歴」28頁
伊予北宇和島郡日吉村付近(現在の愛媛県北宇和郡日吉村)の口伝です。
昔農家さんは、山桜の開花を指標にして、サツマイモの伏せ込みを始めました。
4月 ナスの種まきと、サツマイモの苗の植え付け
127.桜の花が山の中腹まで咲き上ったら、茄子の種おろしと甘藷の苗の植つけ
引用 川口孫治郎著「自然歴」28頁
阿波郡賀川上流西宇付近(徳島県)の口伝です。
昔から、桜の開花を目印に、農作業を行っていた地域が多かったことがわかりますね。
4月 雪解けの頃に野菜の種をまく
128.駒形山の白馬と種蒔き
引用 川口孫治郎著「自然歴」29頁
陸中と羽後(現在の岩手県と秋田県)の国境にある駒ヶ岳は、4月、5月の雪解け頃、山の八合目あたりのところに 一頭の白馬のかたちが現れます。
昔農家さんはその白馬のかたちによって、種まきの見当を決めていたのだそうです。
残雪の画像を掲載されている方がおられましたので、参考になさってください。
「参考サイト」 井嶋 敦子さんのブログ「川天使空間」
井嶋さんのブログの中に、秋田駒ヶ岳の白馬は「(白馬の)出現で種まき、首が切れかかって田植え」と記されています。
※ ( )内は筆者追記
花の開花、木々のなり方で、収穫を予想
マンサク
柳
134.マンサクの咲かぬ年は不作なり
135.柳の白いのが多い年は豊年、少い年は不作なり
引用 川口孫治郎著「自然歴」30頁
いずれも 羽前最上郡(山形県)の口伝です。
花の開花や、木々のなり方で、その年の作物の収穫を予測していた先人は、現代より自然と密接であったことがうかがえますね。
まとめ

4月の農作業(畑仕事)と自然暦について、お伝えいたしました。
江戸時代の農家さんは、季節の移り変わりに敏感で、植物の開花や落葉、鳥のさえずりなどの生き物の姿や活動で、農作業の適期を知る目安にしていました。
そこから生まれた自然暦や口伝などは、現代の私たちも十分活用できるものがありますので、ご参考いただけましたら幸いです。
『参考文献』
川口孫治郎著「自然歴」(八坂書房)

