5月|二十四節気と七十二候および雑節(旧暦4月)

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5月の 二十四節気と七十二候、雑節を、ご案内いたします。

5月は、旧暦の4月「卯月うづき」にあたります。

私たちは、新暦で暮らしておりますが、旧暦を意識してみますと、季節の移ろいを感じることが出来ると思います。

新暦と旧暦は、おおよそ一月ほどズレがありますので、文中、違和感を覚えられるかもしれませんが、5月をひと月前の気候と思って、お読みになってみてください。

※ 掲載画像はイメージです

5月について

卯月(うづき)

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5月は旧暦の4月で、 卯月(うづき)といい、「卯の花月うのはなづき」が縮まったものだと言われています。

卯の花は、アジサイ科(昔はユキノシタ科)の植物で、5月から6月頃、白くほのかに甘い香りの花が咲きます。

清和月(せいわづき)

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空が晴れ、和やかなことを「清和せいわ」といいます。

5月(旧暦4月)に清和と名が付いたのは、新緑の香る季節であるからでしょうね。

5月|二十四節気と七十二候(旧暦4月)

5月の二十四節気と、七十二候、雑節を ご紹介いたします。

時系列にご案内いたしますので、それぞれ混合しております。

雑節「八十八夜(はちじゅうはちや)」 (新暦5月1日頃)

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※ 童謡「茶摘み」の歌い出しに、「♪夏も近づく八十八夜」とありますね

立春から数えて88日目を、「八十八夜はちじゅうはちや」といいます。

八十八夜は、春から夏になる、昔から農事の重要な節目の日で、この頃から 霜が降りることが少なくなってゆきます。

二十四節気「立夏(りっか)」 (新暦5月5日頃)

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文字のとおり、夏が立つ(はじまる)頃です。

旧暦の時代、「五月晴れ」は、梅雨の晴れ間という意味でしたが、今では「爽やかな晴天」という意味でも使われるようになりました。

七十二候 第十九候「鼃始鳴」 (かわずはじめてなく_新暦5月5日~5月9日頃)

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かえるが鳴き始める時期です。

「かわず」は、もともと川に棲息する蛙を「河之蝦かわづがえる=川の蛙」といって、田んぼのかえると区別していたと言われています。

それが次第に略されて、「かわず」となり、一般の蛙の異名として使われるようになりました。

七十二候 第二十候「蚯蚓出」 (みみずいずる_新暦5月10日~5月14日頃)

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蚯蚓みみずが地上に這い出てくる時期です。

蚯蚓は、土の中を動き回って通気性をよくし、土壌を肥やすと言われています。

そんな蚯蚓には、「歌女かじょ」という異名があります。

本来は螻蛄ケラ(オケラ)の鳴き声を、先人たちは蚯蚓ミミズの鳴き声だと思っていたことから、「歌女」という名前が付いたと言われています。

七十二候 第二十一候「竹笋生」 (たけのこしょうず_新暦5月15日~5月20日頃)

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筍が生えてくる頃です。

4月頃(旧暦の3月頃)の春から初夏にかけて、竹の葉は 筍を育てるために黄色味を帯びてきます。

この時期を「竹の秋」といいます。

二十四節気 小満 (小満_新暦5月21日頃)

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小満とは、麦の穂が実って、少しふっくらしてきた(満ちてきた)というのが本来の意味なのだそうです。

それが、いつしか「万物が次第に成長して天地に満ち始める時期」と、解釈されるようになりました。

この時期から 植物は精気にあふれ、柔らかい若葉が青葉になってゆき、小満の由来ともなった麦が、実りの季節を迎えます。

七十二候 第二十二候「蚕起食桑」 (かいこおきてくわをはむ_新暦5月21日~5月25日)

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孵化した蚕が桑の葉を食べる時期です。

蚕の語源は、「飼い蚕かいこ」とされており、何千年もの間、人間に飼われ続けていた昆虫です。

蛾の仲間である蚕は、飛ぶことができず、自力では生きてゆけないよう進化しました。そのような蚕を、先人は「お蚕様かいこさま」と呼び、大切に扱っていたと言われています。

蚕の餌となるのが桑の葉で、昔の人は ちょうど桑の新芽が伸び始める時期にあわせて孵化をさせていました。

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人の手によって成長する蚕は、昼も夜も桑の葉を食べ続け、やがて繭をつくり、人の手によって美しい絹糸が作られました。

七十二候 第二十三候「紅花栄」 (べにばなさかう_新暦5月26日~5月30日頃)

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紅花が咲く時期です。

「紅」という色は、もともと色の名ではなく、紅花をさしていました。

紅花は、咲き始めは黄色ですが、しだに赤みを増してゆきます。

口紅や頬紅などの化粧品になる紅花を染料にするには、茎の末の黄色いところを摘みますので、「末摘花すえつむはな」とも呼ばれるようになりました。

あざみににている花は、棘が鋭く、朝の露にあたって少しでもやわらかくなっている状態の早朝に摘むのだそうです。

その花で、幾度も染め重ねて、鮮やかな紅色が生まれます。

七十二候 第二十四候「麦秋至」 (むぎのときいたる_新暦5月31日~6月5日頃)

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オオムギ

麦が実る時期です。

麦が熟す時期を、「麦秋」、または、「麦の秋」といいます。

この場合の秋は、「実りの時」という意味です。

室町時代から江戸時代にかけて、農民は 年貢として米を納めなければなりませんでしたので、稲を収穫したあとに、自給用として大麦を作っていたと言われています。

5月(旧暦4月)の季節を感じる

この章では、5月の動植物、食べ物、行事などをご紹介いたします。

旧暦4月の 季節を感じてみてくださいね。

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藤は、春と夏のふたつの季節にまたがって咲きますので、「二季草」と呼ばれます。

初鰹(はつがつお)

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昔、鰹は 鰹節にして食べられており、「勝男武士かつおぶし」に通じるので、武士に珍重されていたと言われています。

今のように鰹を生食するようになったのは江戸時代からで、とくに初夏の鰹は初鰹と呼ばれて、もてはやされたそうです。

当時、とても高価であった鰹は、「女房を質に入れても食べたい」と言われるほどの人気の魚だったと言われています。

また、鰹のタタキの起源は諸説ありますが、江戸時代の土佐藩主であった山内一豊が食中毒を防ぐために表面の皮目を炙らせたのが始まりと言われており、その地にちなんで「土佐造り」という別名が生まれのだそうです。

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年の瀬の頃から 店先に陳列され始める苺は、冬の果物と思われがちですが、実は 苺は野菜で、この時期に収穫が始まります。

現在、私たちが苺と呼んでいるのは、和蘭苺のことで、江戸時代の末期に渡来しました。

草冠に「母」と記す苺。この「母」は、子どもの株を次々と生み出すことを表しており、キリスト教では聖母マリアの象徴になっています。

和蘭撫子(おらんだなでしこ)

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カーネーションは、江戸時代に オランダ船に乗って伝わってきたことから、「和蘭撫子おらんだなでしこ」「和蘭石竹おらんだせきちく」などと呼ばれていました。

五月の第二日曜日の「母の日」にカーネーションを贈ることは、アメリカから伝わった風習で、日本ではすっかり定着しましたが、もとは聖母マリアの涙の跡に咲いたと言われており、母性愛を象徴する花なのだそうです。

卯の花(うのはな)

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昔から、「卯の花」と呼ばれて、夏を知る目安とされてきたのが、空木うつぎです。

空木とは、幹が中空、つまり空ろうつろになっていることから この名が付けられました。

空木は、真っ白な花が咲くことから、雪や波、雲などに例えられてきました。

「卯月(うづき=旧暦4月」の語源も、卯の花が咲く月だからともいわれているようです。

葵祭(あおいまつり)

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平安時代は、単に「祭」といえば、「葵祭」をさしていたのだそうです。

葵祭は、京都の上賀茂・下賀茂の両神社で開かれ、牛車や冠に「葵」を飾ったことから、この名が付けられました。

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現在では、葵といいますと、「立葵」のことを指すことが多いのですが、葵祭の葵は、双葉葵のことです。

空豆(そらまめ)

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この時期に出てくるソラマメは、「空豆」と書きますが、「蚕豆」とも記します。

これは、蚕の繭に形が似ているという説、蚕を飼う初夏に食べるからという説などがあるそうです。

雛罌粟(ひなげし)・虞美人草(ぐびじんそう)

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この時期、道端などで見かけるポピーは、「雛罌粟ひなげし」と呼ばる草花で、「虞美人草ぐびじんそう」という異名があります。

虞美人ぐびじんは、紀元前三世紀のの英雄である項羽こううの愛姫のことで、項羽が、漢の劉邦りゅうほうに敗れたとき、自害した姫の血の跡に、赤い雛罌粟ひなげしの花が咲いたというのが虞美人草ぐびじんそうの由来なのだそうです。

天道虫(てんとうむし)

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「てんとう」は、太陽のことです。

私たちが「おてんとうさん」と呼んでいる太陽は、「お天道さん」と書きます。

テントウムシの名前の由来は、木の枝や花に止まると、先まで上っていき、太陽に向かって飛び立つから、また、ひなたを好むからなどと、いわれています。

翡翠(かわせみ)

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「渓流の宝石」と呼ばれる翡翠かわせみ

一年中 日本にいる留鳥です。

翡翠は、「ひすい」と読みますが、本来は「かわせみ」をさす漢語なのだそうです。

ちなみに、かわせみは、古くは「そに」などと呼ばれていました。「そにどりの」と言えば、青にかかる枕詞です。

蛸(たこ)

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日本における蛸の歴史は大変古く、奈良時代の出雲風土記にも記述があるほど、昔から食べられてきたそうです。

江戸時代になると、女性の好きな食べ物は、「芋・蛸・南京(=かぼちゃ)」と言われていてたほどのようです。

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なお、麦の収穫の頃に獲れる蛸は、「麦藁蛸」と呼ばれて、とくに美味しいそうです。

水芭蕉(みずばしょう)

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芭蕉は、小さなバナナのような実がなる植物で、英名は、「ジャパニーズ・バナナ」です。

古くから大きな葉が好まれてきて、ボロボロになっても「れ芭蕉」と呼ばれて、句などに詠まれていたのだそうです。

破芭蕉やればしょう=みずみずしい大きな葉が秋の風雨にさらされて、葉脈に沿って裂けている状態

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なお、芭蕉に葉が似ており、水辺に生えることから名付けられたのが、おなじみの「水芭蕉」です。

まとめ

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5月の 二十四節気と七十二候について、お伝えいたしました。

二十四節気、七十二候を意識してみますと、季節の移ろいを感じることが出来ると思いますので、参考になさってください。

[参考文献]

山下景子著「二十四節気と七十二候の季節手帖」

この記事を書いた人
ベジルナ

関東在住の主婦です。
江戸時代から伝わる農薬や化学肥料を使わない野菜の栽培法、旧暦、自然暦、季節の作物を使ったレシピ、おすすめしたい書籍などをご紹介しております。

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