枝豆が発芽しない時の対策を、ご紹介いたします。
今回ご案内する枝豆の種のまき方は、マメ類の性質を活かした方法で、高い確率で発芽させることが出来る伝承農法ですので、ご参考にしていただきましたら幸いです。
枝豆が発芽しないと考えられる理由
高温多湿の条件でまいた場合
※ 水やりし過ぎてカビが発生した枝豆の種
枝豆をはじめとするマメ類は、高温多湿の条件で種をまきますと、腐りやすく、発芽しない場合があります。
そのため 種をまいた後は、土が湿り過ぎないよう管理します。
古い種をまいた場合
前年の残った枝豆の種でまくと、発芽率が低くなるとも言われています。
発芽率が低くなる原因はの1つとして考えられるは、「種の劣化」です。
農学者の木嶋利男博士によりますと、マメ類はタンパク質や脂質を多く含んでいるため、保存状態によっては種の劣化が進み、発芽率が下がるのだそうです。
枝豆が発芽しない時の対策
マメ類の性質を活かした種まき
枝豆などのマメ類は、もともと ツルを伸ばして周囲の植物に巻き付きながら、よじ登るように生長する性質「つる性」があります。
そのため、単独で種をまくよりも、先に育っている作物の株元に種をまいたり、種をほかの作物の種と混ぜてまきますと、発芽率が高まることが昔から知られています。
伝承農法:ウリ科野菜の種と一緒にまく「混ぜまき」
※ 枝豆の種(青色)とキュウリの種(白色)
今回ご紹介する種まきは、ウリ科野菜の種と一緒にまく方法です。
木嶋博士によりますと、採種から時間が経った枝豆は、急速に発芽率が下がりますが、ウリ科野菜の種と混ぜてまきますと、それが刺激となって発芽しやすくなります。
枝豆の種のまき方(混ぜまきの方法)
枝豆3粒・ウリ科の種1~2粒
枝豆の種と混ぜてまく種は、キュウリ、マクワウリ、メロンなど の「ウリ科野菜の種」を用います。
枝豆の種3粒と、ウリ科野菜の種1~2粒を混ぜて、一ヶ所にまきます。
発芽後のウリ科野菜の処理
※ エダマメとキュウリの混ぜまき
まず、ウリ科野菜から発芽します。
追って、枝豆が発芽しましたら、ウリ科野菜の株は引き抜かず株元で切ります。
枝豆は、本葉が2枚のときに間引き、2本立てで育てます。
※ ウリ科野菜は、引き抜かずに株元でカットします。
古い枝豆の種も発芽率が上がることも
枝豆の種は、前の年の余った古いものを使うことが出来ます。
キュウリと枝豆の混植(コンパニオンプランツ栽培)
すでに育てているキュウリの株元に、枝豆の種をまいて混植することもできます。
キュウリの根は浅く根を張り、畝の全体に広がっていますので、根を傷めないように株元から10cm程度離して 枝豆の種をまきます。
枝豆の種は、1か所に3粒まき、間引いて 2本仕立てにして育てます。
なお、枝豆の根は深く張りますので、キュウリと競合することなく、どちらもよく育ちます。
まとめ
枝豆が発芽しない時の対策について、ご案内いたしました。
この栽培は、先に育っている植物にツルを巻き付けながら生長してゆくマメ類の性質を活かした伝承農法です。
前の年の余った枝豆の種も発芽率が上がる場合がありますので、ご参考にしていただきましたら幸いです。
[参考文献]
木嶋利男著「伝承農法を活かす 野菜の植えつけと種まきの裏ワザ」