インゲンのコンパニオンプランツを、ご紹介いたします。
インゲンを単体で育てるより 他の作物と混植することで、生育が促進したり、病害虫を防ぐ効果があると言われていますので、ご参考にしていただきましたら幸いです。
インゲンのコンパニオンプランツ|相性の良い組み合わせ一覧
農学者の木嶋利男博士が紹介されている、インゲンと相性の良い野菜をご案内いたします。
インゲンと相性の良い野菜
コンパニオンプランツ | 害虫忌避 | 生育促進 | 空間利用 | |
野菜 | ルッコラ | ○ | ○ | ○ |
トマト・ナス・ピーマン・シシトウ | ○ | ○ | ○ | |
サツマイモ | ○ | ○ | ○ | |
キュウリ・ゴーヤ・ヘチマ・マクワウリなど(土の状況により、センチュウに注意が必要な時があります) | ○ | ○ | ○ | |
トウモロコシ | ○ | ○ | ○ | |
花 | マリーゴールド | 〇 |
インゲン(マメ科)と相性の良いトウモロコシ
※ インゲンとトウモロコシの混植
生育促進の効果
インゲンとトウモロコシの組み合わせは、広く応用されています。
豆類の根には根粒菌が付き、空気中の窒素を取り込んで土を肥沃にします。
そのため、豆類のそばでトウモロコシを育てますと、発達したヒゲ根でこの肥料分を吸収し、生育が促進すると言われています。
ネコブセンチュウに気を付けて
※ つるなしインゲンとマリーゴールド
マメ科のインゲンと、キュウリなどのウリ科野菜は、それぞれ 土壌病害「ネコブセンチュウ」の被害に遭う場合があると言われていますので、センチュウを防除するマリーゴールドなどのコンパニオンプランツを利用する方法もあります。
インゲンと相性が良くない野菜
・サルビア
・ローズマリー
・ウリ科野菜(ネコブセンチュウ対策をしながら栽培します)
ご参考:インゲンについて
インゲンの原産地
※image
インゲンの原産地は、中米から南米にかけての樹林帯で、木漏れ日が差す半日陰の環境の中で、原種がポツポツと自生しています。
原種のインゲンは、地面を這いながら伸び、木々に当たると絡まりながら登って育ってゆくツル性の植物です。
原種のインゲンについて
熱帯雨林の土壌は、養分が少なく痩せていますが、インゲンは根に共生する根粒菌から必要な養分を得て生長し、子孫を残しています。
日本への伝来
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インゲンは、コロンブスによってヨーロッパに持ち込まれ、その後 東アジアに伝わり、1654年に清(中国)から禅僧の隠元隆琦によって渡来したことから、「インゲン」と呼ばれるようになったと言われています。
サヤインゲン
子実用品種
インゲンには様々な品種があり、若いサヤを食する「サヤインゲン」、マメを完熟させて利用する「子実用」などがあります。
サヤインゲンは日本各地で栽培されていますが、完熟したマメは、北海道が国内生産量の大半を占めています。
インゲンの固定種
固定種のインゲンを栽培して種を採りますと、翌年も 同じかたちのものを栽培することができます。
なお、F1品種や交配種のインゲンの種を採取して翌年育てる場合、草丈や莢の大きさの生育に差が出る場合があります。
固定種のつるありインゲン | 丸莢尺五寸 | 大長の丸サヤタイプ。生育が旺盛で、栽培しやすく、多収がのぞめる品種。 |
ジャンボ平さや | 有機種子の固定種。 | |
固定種のつるなしインゲン | 初みどり2号 | 種まきから約53日で収穫できる早生品種。草丈約50cm。実の長さ約13cm。スジなしの丸莢。 |
つるなし・すじなし菜豆 | スジがなく、食味と風味が抜群の品種。そろいがよく、栽培が容易。 | |
十六ささげ | 病気に強く、耐暑性がある品種。莢の付きがよく、美味しい。 | |
本金時 | 大粒で煮豆にすると美味しい。若い莢でも、子実採りが両用できる品種。 |
まとめ
インゲンのコンパニオンプランツをご紹介いたしました。
インゲンを単体で育てるより 他の作物と混植することで、生育が促進したり、病害虫を防ぐ効果があると言われていますので、ご参考にしていただきましたら幸いです。
[参考文献]
木嶋利男著「野菜の性格 アイデア栽培」
木嶋利男著「決定版 コンパニオンプランツの野菜づくり (育ちがよくなる! 病害虫に強くなる! 植え合わせワザ88) 」
木嶋利男著「コンパニオンプランツで野菜づくり」
木嶋利男著「農薬・化学肥料に頼らない おいしい野菜づくりの裏ワザ」家の光協会
[画像提供]