初心者にもおすすめ「じゃがいもの不耕起栽培」伝承農法の応用編

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アメリカの不耕起栽培農家、ゲイブ・ブラウンさんの著書「土を育てる 自然をよみがえらせる土壌革命(NHK出版)」で、土を耕さずにジャガイモの育てる方法が紹介されています。

この栽培は、農学博士の木嶋利男さんが紹介されている 日本の伝統的な農法「ジャガイモの浅植え・逆さ植え」と似ています。

わが家は数年前から不耕起でジャガイモを育てていますが、芽かきや土寄せの手間を省略することができますので、一般的な育て方より格段に楽になりました。

今回は、木嶋博士のじゃがいもの不耕起栽培(じゃがいものゴロゴロ植え)を、ご案内いたします。

土に置くだけ!「じゃがいもの不耕起栽培」伝承農法の応用編

ジャガイモの不耕起栽培は、日本の伝承農法

昔の日本の農家さんは、ジャガイモを浅く植えると収量が増えることを知っていました。

ジャガイモの特性をよく分かっていた先人は、その知恵から、種イモを浅く植える「浅植え」、半分に切って逆さまに植える「逆さ植え」など、特別な方法を編み出しました。

農学者の木嶋利男博士は、それらの栽培方法をさらに進化させた、「ジャガイモのゴロゴロ植え」を、紹介しています。

この方法は、アメリカの不耕起栽培農家であるゲイブ・ブラウンさんが行っている方法と考え方が似ています。

初心者にも取り組みやすい、ジャガイモの不耕起栽培「ゴロゴロ植え」について

ジャガイモの不耕起栽培ゴロゴロ植えは、収穫まで ほぼ放任栽培できるお手軽な方法です。

一般的なジャガイモ栽培は、穴を掘った畝に種イモを埋めて土をかけて育てますが、今回ご紹介するゴロゴロ植えは、種イモを土に埋めずにそのまま置いて、マルチで覆うだけです。

土を掘り返さずにジャガイモを育て、土壌を健康に保ちながら収穫を増やす手法ですので、初心者の方にも取り組みやすい栽培法であると思います。

ジャガイモの不耕起栽培「ゴロゴロ植え」4つのメリット

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ジャガイモのゴロゴロ植えは、土に種イモを埋めずに、土の上に置いて黒マルチで覆って栽培する方法です。

これには以下のようなメリットがあります。

メリット1「生育が旺盛になり、収量がアップします」

地温が上がり、ジャガイモの生長が促進されるため、収量増加が期待できます。

メリット2「病気が格段に少なくなります」

土との接触が少ないため、土を介して広がる病気が減り、ジャガイモの健康が保たれます。

メリット3「芽かきと土寄せの必要がありません」

ゴロゴロ植えでは、追加の手入れ作業があまりなく、手軽に育てることが出来ます。

メリット4「簡単に収穫することができます」

ジャガイモは、土の表面や浅い場所にできるので、収穫が簡単です。

ジャガイモのゴロゴロ植えの方法

用意するもの

・ジャガイモの種イモ
・黒マルチもしくは、草マルチ

畝について

畝をつくる場所は、水はけの良い所を選びます。

畝に黒マルチを敷く際ですが、前回育てていた野菜の残渣ざんさ(根や茎)があると、マルチが凸凹してしまい、ジャガイモの芽と残渣を区別するのが難しくなりますので、マルチを覆う前に取り除いておくのがおすすめです。

なお、黒マルチを使わず、刈り草などで畝を覆う場合は、残渣もマルチングに使うことができますので、よりお手軽に栽培できるかと思います。

―平畝+黒マルチで栽培した感想―
平畝の栽培も可能ですが、雨が降って黒マルチに水が溜まると、そこから病気に感染する場合があります。ジャガイモは葉にダメージが加わると、再生することは難しいようで、小さなイモしかできなかった年がありました。黒マルチに水が溜まらないような工夫(畝を立てる、凸凹にマルチを張らない等)が必要と思います。

手順1.種イモを置きます

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畝の表面に、種ジャガイモを置きます。

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黒マルチもしくは、刈り草を覆います。

この時、イモの上に土はかけません。

寒さが残る春作の際、わが家は黒マルチで地温を上げています。

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雨で、黒マルチに水が溜まると、ジャガイモの葉が病気に感染しやすくなります。

マルチが凸凹しないよう、畝をならしておくのがオススメです。

手順2.ジャガイモの発芽

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ジャガイモの芽が伸びてきますと、黒マルチが持ち上がってきますので、手やハサミなどを使ってマルチに穴を開け、芽を外に出します。

この時、穴を大きく空けてしまいますと、イモが緑化しますので、出来るだけ小さく穴を空けます。穴に土をかけても良いですね。

数年前、前作の野菜の根を地際で切らずに地表から数センチ出ている状態で黒マルチを覆ったところ、ジャガイモの発芽と根の区別が難しく困りました。

黒マルチをお使いになる場合は、畝の上をきれいに(平らに)しておかれることをおすすめいたします。

―穴開けて芽を出す作業について―
黒マルチに穴を開けてジャガイモの芽を出す際、穴が大きすぎると収穫するイモが緑化して食べられなくなってしまいます。そこで、あけた穴に土をかけて緑化を防ぐことをオススメいたします。なお、種イモが緑化しても、収穫するイモへの影響はありません。

手順3.収穫まで放任です

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ジャガイモの不耕起栽培ゴロゴロ植えは、芽かき・土寄せの必要がありません。

なぜなら、ご覧のように、普通の栽培より強い芽が3~4本伸びるだけだからです。

また、黒マルチの下にイモができますので、緑化の心配もありません。

手順4.ジャガイモの収穫

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ジャガイモの収穫は、葉が完全に枯れたら頃がベストです。

春に植えたジャガイモは、葉が黄色い段階より、さらに枯れている状態で収穫すると、完熟した美味しいジャガイモになります。

収穫の方法は簡単で、まず畝に敷いていた黒マルチをを取り除きます。

そして、畝の表面に転がっているジャガイモを手で拾い集めるだけです。

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黒マルチを剥がした直後の様子です。

ご覧のように、ジャガイモが転がっていますので、スコップなどを使うことなく手で収穫することができます。

まとめ

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ジャガイモの不耕起栽培「ゴロゴロ植え」について、ご紹介いたしました。

この栽培は、農学博士の木嶋利男さんが日本の伝統的な農法である「浅植え、逆さ植え」を応用して考案されました。

不耕起栽培に関して、養老孟司さんは次のように述べられています。

「人類の農耕の歴史は1万年と言われています。1万年間、人類は 額に汗して地面をひっくり返してきましたが、それは一体何だったのだろう? おそらくそれは、何もしないで(土を耕さないで)勝手に育ったジャガイモに対して、人間は気に入らないのではないでしょうか? 自分が額に汗して働いたことで収穫できたということ(すなわち、耕すことが立派な行為であること=筆者追記)と、思いたいのではないでしょうか?」

私は、ジャガイモのほかにも不耕起栽培を行っておりますが、野菜はしっかり育つことを感じています。

苗が育たなかったり、うまくいかないこともありますが、それでも、思うのです。

これまで、必死に土を耕し、高額な肥料を投入していたのは何だったのだろう?人間は自らの行動に何かしらの価値や意味を付けたがる動物なのではないだろうか?と。

[関連記事]

伝承農法 ジャガイモの逆さ植えは、こちらを参考になさってください。

[参考文献]

木嶋利男著「昔農家に教わる 野菜づくりの知恵とワザ」

ゲイブ・ブラウン著「土を育てる」

[参考サイト]

・朝日新聞 GLOBE 「養老孟司さん、不耕起栽培を語る「1万年続けたことでも、180度違うこと考えていい」」

・YouTube「現代の子ども達が生きるための根っこを育てる」

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