エダマメ・落花生・トウモロコシ・オクラ・ダイコンの種まきで、何粒まけば良いのかしらと、悩まれたことはないでしょうか。
今回は、昔農家さんが行っていたと言われている、エダマメ・落花生・トウモロコシ・オクラ・ダイコンの種のまく数・まき方について、ご案内いたします。
先人は、通常より種を多めにまく「多粒まき」という方法で、種をまいていました。
多粒まきは、生長が促進し、野菜が美味しく育つといわれていますので、ご参考になさってください。
通常の種まきと多粒まきの違い
通常の種まき
通常の種まきも、育てたい株の数よりも種を多めにまきます。
種を多くまくのは、おもに2つの理由があります。
理由① | 種がすべて発芽するとは限らないので予備としてまくため。 |
理由② | 発芽した後、生育のよいものを残す「間引き」をするため。 |
伝承農法「多粒まき」
※ オクラの種
多粒まきは、あらかじめ種を多くまき、発芽した後、1株ではなく複数の株を一緒に育てることを目的とします。
たとえば、オクラ栽培では1本で育てる場合と、数本で育てる場合がありますが、多粒まきは後者にあたります。
多粒まきのメリット
通常より種をたくさんまく「多粒まき」は、野菜の種類によってメリットが異なりますが、基本は 株同士が助け合って育ち、競合のバランスを利用して、生育の促進に役立てるために行います。
種どうしの助け合いと競合
たくさんまかれた種は、一緒に発芽をすることにより、生育初期には根がかたい土を押しのけて伸びやすくなります。
すると、種どうしは互いに競い合うように生長し、より深く根を広げるようになります。
根を深く広く張った野菜は、結果的に 成長が促進し、丈夫な株に育ちます。
野菜が美味しく育つ
株同士が助け合い 競い合う株は生育がよくなり、その野菜本来の能力を発揮することが出来るようになります。
健全に育った株は、病害虫の攻撃も少なくなりますので、品質のよい美味しい野菜に育ちます。
多粒まきに向く野菜
種をたくさんまくと生長が促進する野菜は、直根タイプの野菜が効果的といわれています。
―直根タイプの野菜例―
・トウモロコシ
・オクラ
・エダマメ等、マメ科の野菜
種まき何粒まく?エダマメ・落花生・トウモロコシ・オクラ・ダイコン
伝承農法「多粒まき」
昔の農家さんは、野菜のサヤに入っている種の数をまいていたと言われています。
例えば、枝豆や落花生の場合は、1つのサヤに2~3粒のマメが入っていますので3粒まくというイメージです。
つまり、野菜1つのサヤに入っている分の種をまきますと、子孫を残すことが出来る(=発芽しやすくなる)ということですね。
多粒まきの目安
作物 | 種まき | 間引き後、残す株数 |
エダマメ | 3粒 | 2本 |
落花生 | 3粒 | 1~2本 |
トウモロコシ | 3粒 | 1本 |
オクラ | 5~6粒 | そのまま |
ダイコン | 5~7粒 | 1本 |
種のまき方
1穴にまとめて種をまきます。
農学博士の木嶋利男さんは、「粒がこぼれ落ちるつもりで」種をまくことをおすすめされれいます。
なお、オクラは種の数がより多いので、1か所に2~3粒ずつをやや離してまきます。すると、株が開きぎみに立ち上がり、管理がしやすくなります。
※ オクラの多粒まき
まとめ
野菜が美味しく育つ種まきのコツについて、ご紹介いたしました。
野菜の1つのサヤに入っている種の数に近い数量で種をまきますと、株同士が助け合い、競い合いながら生長しますので、美味しい野菜に育ちます。
この方法は、昔農家さんが行っていたと言われている「多粒まき」で、今でも行うことが出来ますので、おためしになってみてください。
[参考文献]
木嶋利男著「伝承農法を活かす 野菜の植えつけと種まきの裏ワザ
[Phote by]
pixabay.com(HansBraxmeier)
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