トウモロコシのコンパニオンプランツを、ご紹介いたします。
トウモロコシを単体で育てるより 他の作物と混植することで、生育が促進したり、病害虫を防ぐ効果があると言われていますので、ご参考にしていただきましたら幸いです。
トウモロコシのコンパニオンプランツ|相性の良い組み合わせ一覧
農学者の木嶋利男博士が紹介されている、トウモロコシと相性の良い野菜をご案内いたします。
コンパニオンプランツ | 害虫忌避 | 生育促進 | 空間利用 | |
野菜 | 大豆・枝豆・小豆・インゲン・ハッショウマメ | ○ | ○ | ○ |
スイカ・メロン・カボチャ | ○ | ○ | ||
ミツバ | ○ | ○ | ||
サトイモ | ○ | ○ | ||
草 | スベリヒユ | ○ |
相性が良い、トウモロコシとマメ科作物の混植
※ トウモロコシと枝豆の混植(コンパニオンプランツ栽培)
生育促進の効果
トウモロコシとマメ科作物の組み合わせは、広く応用されています。
豆類の根には根粒菌が付き、空気中の窒素を取り込んで土を肥沃にします。
そのため、豆類のそばでトウモロコシを育てますと、発達したヒゲ根でこの肥料分を吸収し、生育が促進すると言われています。
害虫忌避の効果
イネ科のトウモロコシとマメ科の豆類は、科が異なりますので、寄り付く害虫が違います。
別種の害虫は、互いを避け合う性質があると言われていますので、どちらも害虫被害が少なくなる効果が期待できます。
作物 | 付きやすい害虫 |
トウモロコシ | アワノメイガなど |
豆類(枝豆) | カメムシなど |
空間を利用するアイデア栽培
縦と横の空間を利用した栽培が可能
※ トウモロコシとウリ科野菜の混植(コンパニオンプランツ栽培)
木嶋博士は、草丈が高くなって縦に伸びるトウモロコシと、地面を這って横に伸びるウリ科作物の組み合わせもおすすめされています。
マルチになるウリ科作物
トウモロコシの原産地は、現在のメキシコ辺りの乾燥した山麓地帯です。
その様子から、トウモロコシは 暑さと乾燥に強く、日光を好む性質をもっています。
一方で カボチャなどのウリ科作物は多少の日陰でもよく育ち、トウモロコシの株元を覆うようにツルを這わせて生長しますので、保湿・雑草の発生予防など、マルチの役割を果たします。
トウモロコシと相性が良くない野菜
トマトやナスなどは、生育が悪くなると言われています。
ご参考:トウモロコシについて
トウモロコシの原産地
※image
トウモロコシの原産地は、現在のメキシコ辺りの乾燥した山麓地帯です。
原種のトウモロコシは、草があまり生えていない痩せた土地に小さい集団でポツポツと生息しており、動物がたまたま糞を落として養分があるところに自生しています。
原種トウモロコシの特徴
原種のトウモロコシは、ススキのような姿をしており、草丈はあまり高くありません。
やせた土地の厳しい環境の中で育っていますので、吸肥力の強い根を土の浅いところに張っています。
そして、種は動物に運ばれて広がり、食べ残しや土に残ったものなどが芽を出します。
日本への伝来
トウモロコシは、コロンブスによってカリブ海からヨーロッパに伝わりました。
日本へは、16世紀の安土桃山時代に長崎にもたらされ、その後、お米が採れない山間部を中心に栽培が広がり、北上してゆきました。
現在でも、「なんば」「きび」「もろこし」「とうむぎ」などの呼称で、各地に伝承されています。
まとめ
※ トウモロコシとエダマメの混植(コンパニオンプランツ栽培)
トウモロコシのコンパニオンプランツをご紹介いたしました。
トウモロコシの株元にできる空間、草丈の高さを利用した栽培ですので、ご参考にしていただきましたら幸いです。
[参考文献]
木嶋利男著「野菜の性格 アイデア栽培」
木嶋利男著「決定版 コンパニオンプランツの野菜づくり (育ちがよくなる! 病害虫に強くなる! 植え合わせワザ88) 」
木嶋利男著「コンパニオンプランツで野菜づくり」
木嶋利男著「農薬・化学肥料に頼らない おいしい野菜づくりの裏ワザ」家の光協会
[画像提供]