新暦1月(旧暦12月)二十四節気と七十二候および五節句

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1月(旧暦12月)の二十四節気と七十二候および雑節についてご紹介いたします。

私たちは現在、新暦にて暮らしており、1月は新しい年を迎える月ですが、旧暦では12月。一年の最後の月でした。

新暦と旧暦は、おおよそ一月のずれがありますので、いささか違和感を持たれるかもしれませんが、「旧暦」を意識してみますと、豊かな季節感を味わうことが出来るかと思いますので、参考にしていただきましたら幸いです。

※ 掲載の画像はイメージです

  1. 旧暦1月_晩冬(ばんとう)
    1. 年満月(としみつづき)
    2. 徐月(じょげつ)・年世積月(としよつむつき)
    3. 春待月(はるまちづき)
  2. 1月(旧暦12月)の二十四節気と七十二候
    1. 1月(旧暦12月)の二十四節気と七十二候
    2. ◎二十四節気「小寒」しょうかん―新暦1月5~6日頃
    3. ◇七十二候 第六十七候「芹乃栄」せりすなわちさかう―新暦1月5日~9日頃
      1. 寒芹_かんぜり
      2. 七草_ななくさ
      3. 寒蜆_かんしじみ
      4. 葉牡丹_はぼたん
      5. 鷽_うそ
    4. ◇七十二候 第六十八候「水泉動」しみずあたたかをふくむ―新暦1月10日~14日頃
      1. 寒九の水_かんくのみず
      2. 鰤_ぶり
      3. 鏡開き_かがみびらき
      4. 寒木瓜_かんぼけ
    5. ◇七十二候 第六十九候「雉始雊」きじはじめてなく―新暦1月15日~19日頃
      1. 嬬恋鳥_つまごいどり
      2. 天狼_てんろう
      3. 深雪晴れ_みゆきばれ
      4. 葱_ねぎ
    6. ◎二十四節気「大寒」だいかん―新暦1月20日頃
    7. ◇七十二候 第七十候「欵冬華」ふきのはなさく―新暦1月20日~24日頃
      1. 蕗の薹_ふきのとう
      2. 寒天_かんてん
    8. ◇七十二候 第七十一候「水沢腹堅」さわみずこおりつめる―新暦1月25日~29日頃
      1. 氷の声_こおりのこえ
      2. 蝋梅_ろうばい
      3. 波の花_なみのはな
      4. 河豚_ふぐ
    9. ◇第七十二候「雞始乳」にわとりはじめてとやにつく―新暦1月30日~2月3日日頃
      1. 明告鳥_あけつげどり
      2. 節分_せつぶん
      3. 鬼の目突き、焼嗅し(おにのめつき、やいかがし)
  3. まとめ

旧暦1月_晩冬(ばんとう)

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旧暦12月の異名を、幾つかご紹介いたします。

年満月(としみつづき)

一年が満ちてゆくという意味です。

徐月(じょげつ)・年世積月(としよつむつき)

旧年を除くという意味の徐月じょげつ年世積月としよつむつきともいいます。

春待月(はるまちづき)

旧暦11月は、「雪待月ゆきまちづき」という異名がありますが、旧暦12月は、「春待月はるまちづき」といいます。

一年で、最も寒さの厳しいこの季節、先人は 春を待ち焦がれていたのでしょう。

1月(旧暦12月)の二十四節気と七十二候

1月(旧暦12月)の二十四節気と七十二候、この季節に見られる動植物について、ご案内いたします。

※ 二十四節気と七十二候は 時系列にてご紹介いたしますので、混合しております。

1月(旧暦12月)の二十四節気と七十二候

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◎二十四節気、[〇〇候]七十二候、[五]五節句

◎二十四節気「小寒」しょうかん―新暦1月5~6日頃

小寒。

この日から「寒の入り」で、寒さが厳しくなる時期です。

冬至より一陽起るが故に陰気に逆らう故、ますます冷ゆるなり。

引用「暦便覧」

昔は、冬至を過ぎ、陽の気が起こると、それに対抗して陰の気が強くなり、ますます冷えると考えられていたようです。

◇七十二候 第六十七候「芹乃栄」せりすなわちさかう―新暦1月5日~9日頃

芹が盛んに生える時期です。

寒芹_かんぜり

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せりは、春の七草に使われる植物です。

七草粥は、旧暦1月7日の行事で、本来は 立春を過ぎた頃(現在の2月4日頃)に頂くものですので、芹の旬は春になります。

昔の人は、寒いこの時期に収穫する芹を 「寒芹かんぜり」「冬芹ふゆぜり」と呼び、珍重していたと言われています。

ちなみに、芹の語源は「競り合うように生える」というところからきているとも言われており、また、白い根っこであることから白根草しらねぐさとも呼ばれていたそうです。

七草_ななくさ

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旧暦の1月7日頃、先人は、新春に萌え出た若い芽を食すことで、新しい生命力を得て、無病息災を願っていたと言われています。

春の七草である、せりなずな御形ごぎょう母子草ははこぐさ)、繁縷はこべら(はこべ)、仏の座ほとけのざ田平子たびらこ)、すずなかぶら)、蘿蔔すずしろ(大根)、これらを摘むことを「若菜摘わかなつみ」と言います。

七草を食することは、古くは お正月の最初のの日の行事としていたようですが、中国から入ってきた「人日じんじつの節句」と結びついて、旧暦1月7日に行われるようになったのだそうです。

人日じんじつの節句(五節句の一番はじめの節句で旧暦1月7日頃です)

寒蜆_かんしじみ

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しじみの旬は、春とされているようですが、この時期(寒の時期)は「寒蜆かんしじみ」、土用の時期は「土用蜆どようしじみ」と呼ばれていました。

蜆は肝臓に効く薬ともいわれ、とくに寒さの厳しいこの時期、昔の人は蜆を滋養にしていたと言われています。

葉牡丹_はぼたん

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葉牡丹は、もとは江戸時代に野菜として渡来し、「阿蘭陀菜おらんだな」と呼ばれていたそうです。

その姿から想像がつかれると思いますが、葉牡丹はキャベツの変種でした。

当時は「味よし」とも呼ばれていたことから、美味しかったのかもしれませんね。

なお現在は 品種改良が重ねられ、観賞用となりました。

鷽_うそ

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口笛を吹くことを「嘯くうそぶく」といっていたことから、この名前が付いたうそは、脚の動かし方が琴を弾くように見えることから、「琴弾鳥ことひきどり」という優雅な異名ももっています。

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鷽にちなんだ行事は各地で催されており、福岡県の太宰府天満宮、東京都の亀戸神社で「鷽替え神事」があります。

木製の鷽を用いて、今までの悪いことをウソにし、吉に取り替えるという行事です。

◇七十二候 第六十八候「水泉動」しみずあたたかをふくむ―新暦1月10日~14日頃

凍った泉で水が動き始める時期です。

寒九の水_かんくのみず

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寒の時期の水は「薬」になるといわれており、お餅のつくにも、お酒を造るにも、薬を飲むにも、特別の効き目を発揮すると信じられていました。

とくに、寒の入りから9日目は、「寒九かんく」と呼ばれ、効果が増すといわれていました。

また、この日に降る雨は、「寒九の雨」といい、豊作の兆しとされていました。

鰤_ぶり

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ぶりは、昔からおめでたい時に食されてきた魚で、とくにこの時期の「寒鰤かんぶり」は珍重されていたと言われています。

出世魚の代表でもある鰤は、関西では、「つばす → はまち → めじろ → ぶり」。関東では、「わかし → いなだ → わらさ → ぶり」などと、各地方によって出世してゆく名前が異なります。

鏡開き_かがみびらき

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1月11日は、鏡餅を下げる日です。

もともとは、1月20日に行っていたようですが、徳川三代将軍 家光の月命日にあたるため、11日に変わったのだそうです。

餅を小さくするのに 刃物を使うのは縁起が悪いとされ、つちで割っていただくのが習わしで、割ると言わずに「開く」と言うようになったと言われています。

言霊を信じていた日本人らしい言い換えではないでしょうか。

寒木瓜_かんぼけ

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この寒中に咲く木瓜ぼけは、寒木瓜かんぼけ冬木瓜ふゆぼけと呼ばれ、昔の人に愛されていたと言われています。

また、木瓜ぼけは、旧暦1月15日の上元じょうげんのころに咲きますので、「上元紅じょうげんこう」という異名をもっています。

◇七十二候 第六十九候「雉始雊」きじはじめてなく―新暦1月15日~19日頃

きじが初めて鳴く時期です。

嬬恋鳥_つまごいどり

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春の野にあさる雉の妻恋に
己があたりを人に知れつつ

大伴家持

奈良時代の歌人 大伴家持の歌です。

「春の野で餌をあさる雉は、妻が恋しいと鳴くから、自分の居場所を人に知られてしまうのだなあ」

雉は、古くから狩猟の対象とされてきた鳥で、日本の国鳥とされている今でも同じです。

ケーン、ケーンと大きな声で鳴く雉を、大伴家持は「恋しい妻を呼んでいる声なのに」と、哀れんだ歌と言われ、「妻恋鳥」という別名が付くようになったのだそうです。

天狼_てんろう

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この時期の夜空は、冬の星座がはっきりと観ることができます。

中でも おおいぬ座のシリウスは、全天でもっとも明るい星と言われ、ギリシャ語の「焼き焦がすような」という言葉に由来しているのだそうです。

なお、シリウスは、日本では「青星あおぼし」と呼ばれ、英語では “Dog Star”、中国名は「天狼てんろう」です。

深雪晴れ_みゆきばれ

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大雪が降り積もった翌日、カラっと晴れることを「深雪晴れみゆきばれ」といいます。

「み雪」は、もともと雪の美称ですが、深く積もることもありますので「深雪」という字を当てているうちに、深く積もった雪のことを指す言葉になっていったと言われています。

葱_ねぎ

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昔の人は、葱のことを「き」と呼んでいたようで、臭気を表す「気」が語源であるという説があります。

やがて、根を食べる「き」ということで「根気」→「ねぎ」となっていったのだそうです。

その昔、葱は邪気や疫病を追い払うものと信じられており、食用のほかに、風邪の薬としても用いられていました。

風邪を引いた時に、首に葱を巻く風習が残っている地域がありますが、先人から引き継がれてきた療法なのでしょう。

◎二十四節気「大寒」だいかん―新暦1月20日頃

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一年で、最も寒さが厳しくなると言われている時期です。

◇七十二候 第七十候「欵冬華」ふきのはなさく―新暦1月20日~24日頃

蕗の薹ふきのとうが顔を出す時期です。

蕗の薹_ふきのとう

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七十二候は、「欵冬華ふきのはなさく」ですが、この時期は「蕗の薹ふきのとう」のことを指していると思われます(花はもっと暖かくなってから咲きます)。

蕗は、花をつける茎と葉をつける茎が別々になっており、まず花茎を伸ばして花を咲かせてから葉を伸ばします。その若茎が蕗の薹です。

なお、欵冬華の「欵」には、叩くという意味があるようで、冬に氷を叩き割るようにして顔を出すので「欵冬かんとう」という異名を持っています。

寒天_かんてん

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寒天は、乾物を連想される方が多いと思いますが、冬の寒空のことも寒天といいます。

食べ物の寒天は、海藻の天草を煮て固め、凍てついた寒気にさらして凍らせて、再び 天日で溶かす作業を繰り返し行います。

その語源は、寒晒心太かんざらしところてん、乾燥させた天草とも言われており、参勤交代途上の島津侯が食べ残した心太を戸外に捨て、偶然できたものとも言われています。

◇七十二候 第七十一候「水沢腹堅」さわみずこおりつめる―新暦1月25日~29日頃

沢に氷が張りつめる時期です。

氷の声_こおりのこえ

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この時期は、冷え込みがことさら厳しくなります。

昔の人は、「霜の声」「雪の声」そして、「氷の声」と、音ではなく声と表現していたことから、自然に対して 繊細な感覚を持ち合わせていたことがうかがえますね。

蝋梅_ろうばい

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蝋細工のような黄色い花びらが特徴である蝋梅ろうばいは、最も寒いこの時期に 香り高く咲きます。

江戸時代の初期に、中国から渡来したと言われる蝋梅は、唐梅からうめ南京梅なんきんうめと呼ばれていたそうですが、本来は梅の仲間ではなく、ロウバイ科の植物です。

波の花_なみのはな

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岩に激しくぶつかった波が砕けて風にあおられると白い泡ができます。

これを「波の花」といいます。

波の花は、能登や越前などの、岩の多い海岸で、風の強い日に見られる厳冬の光景です。

寒々とした光景ではありますが、波を花と例えた先人は 何とも風流ですね。

河豚_ふぐ

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その昔、河豚ふぐは「ふく」と呼ばれていたそうで、語源は怒るとお腹がふくれるところからきたと、言われています。

猛毒をもっている河豚は、当たると命を落とす恐れもあることから別名「鉄砲」とも言われていました。

河豚は、この時期が旬で、鉄砲のちり鍋で「てっちり」、薄造りにした刺身を「てっさ」にして頂きます。

◇第七十二候「雞始乳」にわとりはじめてとやにつく―新暦1月30日~2月3日日頃

鶏が卵を産み始める時期です。

明告鳥_あけつげどり

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最後である七十二候は、鶏が卵を産むために、鳥屋とやにこもるという意味の「雞始乳にわとりはじめてとやにつく」で締めくくられます。

鶏の語源は、庭に放し飼いにしていたので「庭つの鳥」→「庭鳥」→「にわとり」という説があります。

このことから、鶏は人との生活と深く結びついていた鳥であることが分かります。

なお、鶏は、早朝 夜明けを知らせることから、「明告鳥」という異名ももっています。

節分_せつぶん

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現代において、節分は 2月3日ですが、もとは「季節の分かれ目」という意味があります。

つまり、本来の節分は年に4回あり、立春、立夏、立秋、立冬の前の日です。

立春が一年の始まりであった旧暦では、その前日で一年が終わります。つまり、節分は大晦日と同じ意味合いがありました

なお、私たちが行っている豆まきも、本来は年越しの行事で、年の数の分だけ豆を食べる風習も お正月を迎えるたびに全員がひとつ歳を重ねたという名残と言われています。

節分が年越しの意味合いがなくなった現代でも、邪気を払って幸せを祈る気持ちは 同じですね。

鬼の目突き、焼嗅し(おにのめつき、やいかがし)

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節分の日に、軒に柊といわしの頭で作ったもの飾ることを「鬼の目突き」「焼嗅がし」と呼んでおり、鰯の臭いで鬼が退散し、魔よけになると考えられていたそうです。

まとめ

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1月(旧暦12月)の二十四節気と七十二候および雑節についてご紹介いたしました。

私たちは現在、新暦にて暮らしており、新しく迎える年を1月としておりますが、旧暦では12月。一年の終わりの月でした。

新暦と旧暦は、おおよそ一月のずれがありますので、いささか違和感を持たれるかもしれませんが、「旧暦」を意識してみますと、豊かな季節感を味わうことが出来るかと思いますので、参考にしていただきましたら幸いです。

[参考文献]

二十四節気と七十二候の季節手帖

この記事を書いた人
ベジルナ

関東在住の主婦です。
江戸時代から伝わる農薬や化学肥料を使わない野菜の栽培法、旧暦、自然暦、季節の作物を使ったレシピ、おすすめしたい書籍などをご紹介しております。

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