伝承農法「キャベツの根切り植え」老化苗がよみがえり病気に強くなる昔農家さんの知恵

伝承農法・自然暦

2022.11.012024.01.13

伝承農法「キャベツの根切り植え」について、ご紹介いたします。

根が茶色くトグロを巻いた状態になっているキャベツの苗は老化している可能性があり、よく育たない場合があります。

昔農家さんの知恵、「キャベツの根切り植え」は、老化した苗がよみがえらせ病気に強くなると言われていますので、ご参考にしていただきましたら幸いです。

植え付け時期を過ぎたキャベツの苗は、根がトグロを巻いたように回り、根の色が茶色っぽくなります。

昔農家さんは、老化したキャベツの苗は、直根を切り、畑に植えていたと言われています。

根を切られたキャベツの苗は、株全体が若返り、ふたたび生育がよくなる効果が期待できます。

💡 老化した苗がよみがえります
💡 生育が旺盛になります
💡 病気が少なくなります

農学博士の木嶋利男氏によりますと、キャベツの根を切りますと、株全体が若返ります。

木嶋博士によりますと、直根を切ったキャベツの苗は、側根が多く出てよく伸びます。

直根は「吸水根」といわれ、おもに水分を吸収する役目があります。

直根を切られたキャベツの苗は、側根がたくさん出て、肥料分をよく吸収するようになりますので、生育が旺盛になります。

秋のお彼岸を過ぎた頃に根切りしたキャベツの苗を植え付けますと、根こぶ病の感染を抑えつつ、年内の収穫が可能になることもあります。

※ 植え付ける時期は、地域によって前後します

１．キャベツの苗を鉢から取り出し、根鉢をほぐし、直根の3分の2を切ります。

２．苗を植え付けます。このとき、胚軸に土を寄せた状態で植え付けますと、側根が出やすくなります。

３．以降は、普通栽培と同じように育てます。苗の生長をみながら、途中で追肥をします。

根切り植えは、ブロッコリーやハクサイ、カリフラワーなどにも行うことができます。

まとめ

伝承農法「キャベツの根切り植え」を、ご紹介いたしました。

この方法は、トグロを巻いたキャベツの苗の根を切ることにより、株全体がよみがえり病気に強くなる昔農家さんの知恵ですので、ご参考にしていただきましたら幸いです。

［参考文献］

木嶋利男著「昔農家に教わる野菜づくりの知恵とワザ」