野菜は、収穫のタイミングや方法を工夫することで、味や保存性が高まると言われています。
昔の農家さんは、サトイモ、サツマイモ、ショウガ、秋ジャガイモなどの秋野菜を工夫して収穫していました。
本日は、今日のような冷蔵技術を持たなかった昔の農家さんが行っていた野菜の収穫の知恵を、ご紹介いたします。
※ 秋野菜の保存法につきましては、別途 掲載する予定です。
昔農家さんに学ぶ秋野菜の収穫のコツ|サトイモ・サツマイモ・ショウガ・秋ジャガイモ
昔農家から学ぶ、秋野菜の収穫の知恵
今日のような特別な冷蔵技術がなかった昔の農家さんは、代わりに、保存性を高めて収穫するタイミングや方法をよく知っていたと言われています。
今回は、収穫のコツを野菜別にご案内いたします。
初霜の前に収穫
秋の野菜は、霜にあたってしまいますと たいてい傷んでしまいます。
現代のような天気予報などの情報がなかった時代、昔の農家さんは「霜降」の頃を目安に、秋の野菜を収穫していたと言われています。
「霜降」は、二十四節気の第18候で、旧暦の9月内、新暦では10月20日前後になります。
サトイモ
サトイモは、霜にあたってしまいますと、葉や茎が枯れ、イモが筋っぽくなってしまいますので、初霜が降りる直前に、茎を切って収穫します。
なお、翌年 種イモに利用するイモは、茎を切らずに霜に数回あてて、茎が枯れてから掘り上げますと、保存性が高くなると言われています。
サツマイモ
サツマイモは、5月中旬~6月中旬に挿し穂をした場合、品種にもよりますが110日前後で収穫します。収穫が遅くなりますと、表面の凹凸が多くなり、筋っぽくなります。
6月下旬~7月中旬に挿し穂をした場合は、霜が降りる前に収穫します。採り遅れますと、イモが傷みやすくなります。
ショウガ
ショウガは、初霜の前に掘り上げますと、保存性が高くなります。
初霜にあてると、茎葉がとれやすく便利ですが、保存性は悪くなります。
秋ジャガイモ
ジャガイモは、春植えと秋植えの収穫のタイミングが大きく異なります。
春植えの場合は、一般的に地上部の葉が黄色になったタイミングで収穫をしますが、これは短い期間で食べて消費する場合です。
一方で、秋植えのジャガイモは地上部が完全に枯れてから収穫すると保存性が高まりますが、霜にあたってしまいますと、イモが肥大途中でも生長が終わりますので、寒さでイモが傷む前にただちに収穫します。
まとめ
昔の農家さんは、秋野菜の収穫は 初霜の前を目安にしていたと言われています。
今日のような冷蔵技術を持たなかった昔の農家さんは、収穫のタイミングを工夫することで、味や保存性を高めていました。
昔農家さんの知恵は、今でも応用することが出来ますので、ご参考にしていただきましたら幸いです。
※ 秋野菜の保存法につきましては、別途 掲載する予定です。
[参考文献]
木嶋利男著「昔農家に教わる 野菜づくりの知恵とワザ」