ショウガのコンパニオンプランツは、里芋やナス、ブロッコリーなどがおすすめです。
ショウガを単体で栽培するより、他の作物と混植することで、それぞの生育が促進したり、病害虫を防ぐ効果があると言われていますので、ご参考にしていただきましたら幸いです。
ショウガのコンパニオンプランツ|相性の良い組み合わせ一覧
農学者の木嶋利男博士が紹介されている、ショウガと相性の良い野菜を、ご案内いたします。
ショウガのコンパニオンプランツ | 害虫忌避 | 生育促進 | 空間利用 | |
野菜 |
サトイモ | ○ | ○ | |
ナス | ○ | ○ | ○ | |
ブロッコリー | ○ | ○ |
ショウガとサトイモのコンパニオンプランツの栽培
ショウガとサトイモのコンパニオンプランツ栽培のメリット
ショウガとサトイモのコンパニオンプランツ栽培は、いずれの野菜もよく育ち、収量が増えると言われています。
栽培期間がほぼ同じなので育てやすいです
ショウガとサトイモは、栽培期間がほぼ同じですので、1つの畝で一緒に育てることができます。
栽培に適した環境も似ています
ショウガとサトイモは、いずれもアジアの熱帯地域が原産地とされています。
生育に適した温度は25~30℃と高く、どちらも水分が多い場所を好みます。
生育の環境が似ているショウガとサトイモは、1つの畝で育てる際、管理がしやすいのもメリットになります。
互いに助け合いながら良く育ちます
梅雨に入り高温多湿になりますと、サトイモの葉は大きく広がり周りに日陰を作ります。
この日陰になるところにショウガを植えておきますと、真夏でも土が保湿されますので直射日光が苦手なショウガはよく育ちます。
競合の心配もありません
農学者でおられる木嶋利男博士によりますと、ショウガとサトイモの根はどちらもあまり横に伸びないため、競合はしない(=互いの生育が悪くならない)と、紹介されています。
ショウガとサトイモのコンパニオンプランツ栽培のポイント
東西畝 | 南北畝 | |
植え方 | 南側にサトイモ、北側にショウガを植え付けます。 | サトイモとショウガを1列交互に植え付けます。 |
品種 | ショウガもサトイモも品種は特に選びません。 | |
芽出し | ショウガとサトイモの芽出しをしておくと安心です。 | |
植え付け | 種ショウガは50g前後に手で折って分け、3個ずつ植えます。サトイモは芽の出るほうを下にする「逆さ植え」にすると旺盛に育ちます。逆さ植えにすると土寄せの必要がありません。 | |
追肥 | サトイモの葉茎が3枚のころと、その1か月後に、畝の表面にぼかし肥または米ぬかを施し、軽く混ぜます。 | |
収穫 | ショウガ、サトイモのいずれも霜が降る前に収穫します。 |
ショウガとナスのコンパニオンプランツ栽培
ナスは、春の植え付けから11月頃までの長い期間、畝を占領します。
この間に、ナスの葉陰でショウガを育てる方法をご紹介いたします。
ショウガとナスのコンパニオンプランツ栽培のメリット
害虫が付きにくくなるメリット
ショウガには「アワノメイガ」という蛾、ナスには「フキノメイガ」という蛾が付きやすく、それぞれの幼虫は葉を食害します。
これらの害虫は近縁ではありますが同類ではないため、互いを忌避し合います。
別種の虫はそれぞれを敬遠する性質があるため、ショウガとナスを混植すると、成虫が産卵に飛来しにくくなり、被害を抑えられると言われています。
ナスが日よけ代わりになるメリット
ナスは草丈が高くなるにつれて、株元に空間が生まれます。
この空間となるところにショウガを育てます。
ショウガは真夏の強い日光が苦手ですので、ナスの葉で適度に遮光され、生育が良くなります。
病気が発生しにくくなるメリット
ショウガは殺菌効果の高い作物です。
そのため、土の中の病原菌が減りますので、ナスの病気予防に貢献します。
水分が保たれるメリット
ショウガの根は浅く伸び、一方で ナスは深く根を張ります。
地中深く根を張るナスは、水分をたっぷり吸い上げますので、ショウガも水を吸いやすくなります。
肥料の過剰な障害が出にくいメリット
木嶋博士によりますと、有機物は分解してアンモニア態窒素から硝酸態窒素へ変化してゆきますが、ショウガはアンモニア態窒素を、ナスは硝酸態窒素を好みます。
ショウガは先にアンモニア態窒素を利用するため、肥料の過剰障害が出にくくなるのだそうです。
ショウガとナスのコンパニオンプランツ栽培のポイント
品種選び | ショウガ、ナスの品種は特に選びません。 |
ショウガの芽出し | ショウガの芽出しをしておくと安心です |
植え付け | 種ショウガは1片あたり50グラム程度に手で割り、3個並べてナスの葉の陰に植え付けます。 |
追肥 | ナスの生育のために、2週間に1回程度、畝の表面にぼかし肥などを施します。 |
敷きわら | ショウガとナスは保湿を好みますので、敷きわらがおすすめです。 |
収穫 | ショウガは霜が降りる前に掘り上げます。ナスは実った果実を収穫してゆきます。 |
まとめ
ショウガのコンパニオンプランツを、ご紹介いたしました。
ショウガを単体で栽培するより、他の作物と混植することで、それぞの生育が促進したり、病害虫を防ぐ効果があると言われていますので、ご参考にしていただきましたら幸いです。
[参考文献]
木嶋利男著「決定版 コンパニオンプランツの野菜づくり (育ちがよくなる! 病害虫に強くなる! 植え合わせワザ88) 」