カラス対策を黒糸(テグス)で行う方法|現代農業2019年8月号

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カラスから野菜を守る対策について、ご紹介いたします。

野菜を栽培されている方は、カラスに作物を狙われたご経験があるかと思います。

カラス対策として、防鳥ネット、キラキラ光るCDなど、防鳥グッズが多数販売されておりますが、今回は、「黒糸(黒テグス)」を1本のみ使った方法を、ご案内いたします。

この対策は、月刊 現代農業2019年8月号に掲載されているもので、茨城県でトウモロコシを有機栽培されている農家さんはこの方法で17年以上、カラスの被害に遭っていないのだそうです。

わが家は、今年初めて この対策を採り入れてみたところ、今シーズン、トマトを1度もカラスに食べられずに済みました。

黒糸が有効な理由については、はっきりしたことは解明されていないようですが、ご参考にしていただければ幸いです。

カラス対策を黒糸(テグス)で行う方法

極細黒糸1本でカラス除け

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茨城県で有機野菜を栽培されている石田真也さんは、17年前(2019年時点)に就農されて以来、トウモロコシのカラス被害を受けたことがほとんどないのだそうです。

石田さんのカラス対策は簡単で、畑の外周のトウモロコシの茎を支柱の代わりにして黒糸を巻き付けるだけです。

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トウモロコシの茎に黒糸を2~3周させて、たるまないように3mおきに次の茎に巻き付け、畑を一回り囲んで対策は完了というので、驚きですね。

なお、石田さんが使われている黒糸は、ミヤライン糸 0.24mmです。

黒糸を張る高さについて

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黒糸を張る高さは、トウモロコシの果実に近い80cmのところです。

なお 石田さんは、収穫作業などで畑に入られる際、糸を切ってしまうことがあるため、人が出入りするところだけは くぐりやすい高さ(120cm)にしているそうですが、それでもカラスの被害はなかったのだそうです。

カラスの動きについて

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石田さんが畑の外周だけに黒糸を張り、作物の上部には黒糸を交差させたりせず空けておく理由は、カラスの動きをよく観察された結果なのだそうです。

石田さんによりますと、カラスは上空から直接トウモロコシ畑に降り立つことはなく、まず畑の近くに下りて着地し、歩いて畑に接近し、側面から侵入するのだそうです。

この点に関しては、私も思い当たることがあります。

先日、不織布でトウモロコシを囲んで対策をしておりましたが、隅の下方部分の不織布を破られ侵入されていたのです。

応用できる黒糸のカラス対策

黒糸を使ったカラス対策は、トウモロコシだけでなく、ほかの作物にも有効です。

石田さんは、スイカ畑の周りに支柱を立て、そこに30cmの高さで黒糸を張っておられるそうですが、カラスの被害はないのだそうです。

ご参考:有効なカラス対策は紫外線対策!?

この章では、カラスの優れた色覚についてと、その性質を活かした対策について、ご紹介いたします。

色覚に優れたカラス

株式会社CrowLab(クロウラボ)の代表取締役 塚原直樹さんによりますと、カラスは優れた色覚をもっており、人間より色を識別する能力が高いのだそうです。

人間の目は、赤・青・黄の波長の光に強く反応する3種類のセンサーをもっているため3原色で見ていますが、カラスは、近紫外線も加えた4種類のセンサーをもち、4原色で見ているため、より優れた色覚を持っていると考えられています。

さらにカラスは、油球(あぶらだま)と呼ばれる特殊なフィルターをもっているので、色の識別の精度を高めています。

カラスは紫外線も認識できる

またカラスは、紫外線を認識することも出来るため、ものを識別する際、紫外線が重要な役割を果たしています。

塚原さんは、ある実験を行いました。

カラスに、紫外線がある状態とない状態で実物のハムと、食品サンプルのハムを選ばせる実験を行ったところ、紫外線が当たっているとほぼ100%の確率で実物のハムを選び、紫外線が当たっていないと当てずっぽうで選んでいるような結果が出たのだそうです。

つまり、紫外線が当たっていないと、カラスは実物と食品サンプルを見分けることが出来ないと推察することができます。

このようなことから、カラスは無差別にごみ置き場を荒らしているわけではなく、確実にごみ袋の中身を確認して狙いを定めていると考えられます。

黄色い防鳥糸について

紫外線を認識できるカラスには、紫外線をカットした防鳥グッズが有効であるとも考えられますね。

昨今、カラス対策用の紫外線をカットしたゴミ袋などが販売されており、それらは人間の目には黄色に見えるのだそうです。

防鳥糸で黄色いものが販売されていますが、黄色く色付けされた糸は、カラスには見えているということになりますので、効果があるか否かは不明です。

まとめ

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黒糸を使ったカラス対策について、ご紹介いたしました。

この対策は、月刊 現代農業2019年8月号に掲載されているもので、茨城県で有機野菜を栽培されている農家さんが17年以上(2019年時点) トウモロコシがカラスの被害に遭っていないという興味深い方法です。

わが家は、今年初めて この方法を採り入れてみたところ、トマトが1度もカラスに食べられずに済んでおります。

黒糸がカラス対策に有効な理由については、はっきりしたことは解明されていないようですが、ご参考にしていただければ幸いです。

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効果的!イチゴ畑の鳥害対策|釣り糸(テグス)で防鳥する方法です

[参考商品]

クラーク ミヤライン防鳥糸 2000m

[参考サイト:現代農業 2019年8月号]

極細黒糸でカラス除けトウモロコシ畑を1周囲うだけ

[参考サイト:CrowLab]

CrowLab「コラム2 カラスが嫌いな色はあるのか?黄色が嫌いは本当?」

[参考動画:ウェザーニュース]

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