新暦12月(旧暦11月)の農事と自然暦

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12月(旧暦11月)の自然暦について、ご紹介いたします。

昔の農家さんは、植物の開花や落葉、鳥のさえずり、動物の行動や虫の鳴き声などを目安に、野菜を育てていました。

現代でも、雨、風、雷などの天気、季節によって移りゆく草花の生長が、野菜づくりの指標となるものがありますので、ご案内いたします。

※ 掲載の画像はイメージです

12月(旧暦11月)の畑仕事

地域によって前後しますが、12月に行うおもな畑仕事です。

二十四節気 時期 おもな畑仕事
大雪 12月7日頃 冬野菜の収穫(大根、キャベツ、カリフラワー、ほうれん草、ネギ、小松菜など)
冬至 12月22日頃 冬野菜の収穫(人参、ゴボウ、白菜など)
畑の片付け

※地域によって前後します。(参考文献 久保田豊和著「新版 暦に学ぶ野菜づくりの知恵 畑仕事の十二ヵ月」)

12月(旧暦11月)の伝承農法と自然暦

霜月・霜降月・露隠葉月・雪見月・雪待月

12月(旧暦11月)は、冷え込みがいよいよ厳しくなってゆく頃です。

霜の季節である旧暦11月の異名は、霜月しもつき霜降月しもふりづき露隠葉月つゆこもりのはづきなど「しも」が使われるほかに、雪見月ゆきみづき雪待月ゆきまちづきと、「雪」を使った異名もあります。

昔は、雪は豊作のしるしとされていましたので、先人は、雪を心待ちにして翌年の豊作を願っていたのでしょう。

柚子、橙が熟したら一年の畑納め

冬至の柚子湯

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せわしない夏野菜のお世話とは異なり、この時期は、のんびりと冬野菜の収穫を楽しみます。

冬至は「湯治とうじ」、柚子は「融通ゆうずう」。

冬至の夜は、柚子湯に入って、一年の畑仕事の垢を落としましょう。

運気がつく食べ物

昔農家さんは、さまざまな行事でげんかついでおり、運気がつくように「ん」の付くものを七種類 食していました。

いずれの食材も、お正月料理に使えるものですので、ご紹介いたします。

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なんき(かぼちゃ)
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だいこ
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にゃく
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ぼ(ごぼう)

来年の準備

道具の掃除

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12月は、畑や道具小屋の大掃除をします。

大切な道具を長く使うために、農具を洗ったり、刃を研いだり、油を注したりします。

冬野菜の伏せ込み

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大根、人参、白菜などの冬野菜は、収穫せずとも そのまま畑に伏せ込んでおくことができます。

大根 人参 白菜
大根の葉を切り、畑に植えたままにしておきます。葉を切ることにより生長が遅くなりますので、トウ立ちしづらくなります。 人参の肩の部分(地表に出ている部分)に土をかけると、長持ちします。 白菜を紐で縛りますと、寒さよけになります。また、畑で越冬させる白菜は寒さで糖を出しますので甘く美味しくなります。

旧暦11月(新暦12月)の自然暦

619.雪水が出れば豊作
陸奥東通村付近の伝承

625.霜月の西風が吹いて寒さが厳しくなると鴨が群れて来る。
佐賀県佐賀郡南川副村付近の諺

634.雪起こし。
北国にて雪が降ろうとする時、雷鳴があることをいう。

引用 川口孫治郎著「自然暦」

まとめ

12月(旧暦11月)の自然暦について、ご紹介いたしました。

昔の農家さんは、植物の開花や落葉、鳥のさえずり、動物の行動や虫の鳴き声などを目安に、野菜を育てていました。

現代でも、雨、風、雷などの天気、季節によって移りゆく草花の生長が、野菜づくりの指標となるものがありますので、ご参考にしていただきましたら幸いです。

[参考文献]

・川口孫治郎著「自然暦」
・新版 暦に学ぶ野菜づくりの知恵 畑仕事の十二ヵ月

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この記事を書いた人
ベジルナ

関東在住の主婦です。
江戸時代から伝わる農薬や化学肥料を使わない野菜の栽培法、旧暦、自然暦、季節の作物を使ったレシピ、おすすめしたい書籍などをご紹介しております。

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