7月の自然暦について、ご紹介いたします。
昔の農家さんは、植物の開花や落葉、鳥のさえずり、動物の行動や虫の鳴き声などを目安に、作物を育てていました。
現代でも、雨、風、雷などの天候や、季節によって移りゆく草花の生長が、野菜づくりの指標となるものがありますので、ご紹介いたします。
※ 掲載の画像はイメージです
7月(旧暦6月)の自然暦
二十四節気を目安にした畑仕事
7月に行うおもな畑仕事です。
内容は、地域によって前後します。
二十四節気 | 時期 | おもな畑仕事 |
小暑 | 7月7日頃 | ・夏野菜の収穫 |
・夏まきキャベツ、ニンジン、カリフラワーの種蒔き | ||
・ネギの定植 | ||
大暑 | 7月22日頃 | ・サトイモの土寄せ、水やり ・イチゴのランナーから苗をとる。仮植え。 |
※地域によって前後します。(参考文献 久保田豊和著「新版 暦に学ぶ野菜づくりの知恵 畑仕事の十二ヵ月」)
朝顔の開花時間に畑仕事を
7月の日中は暑い盛りです。
昔農家さんは、朝顔が咲く早朝に畑仕事をおこない、日中は昼寝、そして夕方に野良仕事に出かけていたと言われています。
セミ
昔の農家さんは、セミの初鳴きで季節を感じとり、作物の収量を想定していたと言われています。
セミの初鳴き
昔の農家さんは、アブラゼミやヒグラシの初鳴きを目安に、ニンジンやダイコンの種をまいていました。
あなたがお住いになっている地域で、セミが鳴き始めましたら、ニンジン、ダイコン、キャベツ、ブロッコリーの種をまいてみられてはいかがでしょうか。
なお、この時期は夕立ちが多くなります。
雨が降った翌日や翌々日の、畑がよく湿っている状態のときに播種しますと、芽が出やすくなります。
各地の伝承
[449]ミンミンを聴いてから二十日経つと新米が食える。
(岡山県津山)[450]ツクツクボウシが多ければ米が高い。
(長崎県平戸市志々伎)[451]ツクツクボーシ鳴き出せば柿が食える。
(和歌山県東牟婁郡四村付近)[453]ツクツクボーシが鳴くと秋の節に入る。
(福岡県糟屋郡若杉山下)引用 川口孫治郎著「自然暦」
雑草の夜露で野菜に潤いを
梅雨明け後の畑は、夏草の除草が煩雑になってきますが、野菜の近くに生えている草を少し残しておきますと、夜露でウネが湿り、野菜に潤いを与えます。
まとめ
7月の自然暦について、ご紹介いたしました。
昔の農家さんは、植物の開花や落葉、鳥のさえずりや動物の行動などを目安にして、農作業を行っていました。
現代でも、雨風の音や、植物の生長は、野菜づくりの指標となるかと思いますので、ご参考になさってください。
[参考文献]
・川口孫治郎「自然暦」
・新版暦に学ぶ野菜づくりの知恵 畑仕事の十二カ月
・やさい畑 2018年 冬号